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iPhone、Macと読書が大好き。iPhone・Mac・書評を中心に好きな事を書いていました。今は『ほーくブログ』でブログを書いています。

楽しんで読書できるようになるまでの本 -書評- 新書がベスト

      2012/12/15

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やっとこの本を「自信をもって」紹介できます。

小飼弾さんの書いた「新書がベスト」です。

 

最初読んだら本を閉じよう

ざっくり言うと、この本は読書説明書みたいなもん。本書では読書をする人間を、初心者、中級者、上級者の3つに分けています。なので、自分は読書初心者なのか、中級者なのか、はたまた上級者なのか。それを知っていないと読めません。

そして読み方は簡単です。

・初心者なら、本棚と本を300冊適当に選んで購入してとにかく読む。

・中級者なら、著者との意見の差分を吸収して他は斜め読み。

・上級者はこの本を開かない。

うわ簡単。

で、注意する必要があるのは、初心者の場合、Part1の「なんとなく読みはじめてからの中級編」は飛ばしましょう。なんならその手前まで読んで本を閉じてもいいかもしれません。でないとドツボにハマります。僕のように。

 

差分と斜め読み

個人的にこの本のキーワードは「差分」と「斜め読み」。

ここで重要なのは、差分「か」斜め読みではなく、差分「かつ」斜め読みだという点。そこんところが、速読とは違うところ。

速読はあの手この手ですべての内容を頭に入れていくのですが、この本は違います。他の本にも書かれてる内容は斜め読みして、知らない情報・今の自分と異なる意見など、自分の頭の中との「差分」だけを拾って読む。という方法です。

そこが肝心。

 

まずは300冊

でも、「差分」と呼ぶだけあって、差分を拾うための「土台」が必要です。その土台の作り方が書かれているのがPart1の「読書レベル0からの初級編」。そこをクリアしていないと、その先に書かれている差分と斜め読みを行うことはかなり難しいと思います。

しかし、本書は「読書レベル0からの初級編」のすぐ後に「なんとなく読みはじめてからの中級編」が章を変えずに書かれています。そしてそのなんとなく読み始めた中級者の目安が「300冊ほど読んだ人」になっています。

本書では1ページの違いですが、実際には一朝一夕で超えられない壁が立ちはだかっています。

本書を手にした当時、本は最初から最後まで読むものだ、という「思い込み」をしていて、この初級と中級のレベルの差を感じられていなかったので、「本を読む意味」を理解しきれていませんでした。

そういう意味で本書は初心者のためというよりは中級者のための本なのかもしれません。

初めて読んだ2年前から、「土台」がないのに「差分」ってどういうこと?と悩んでいたのですが、直接著者にお会いして、やっとこの本の読み方がわかりました。

まずは300冊。話はそれから。

 

言い換えればかなり長く使える本

以上を踏まえると、初心者にとってはかなり長く使える本です。なにしろ差分を拾うための土台を作るまでは初心者だからです。

そこをクリアして初めて次の章に行ける。土台がある人が土台をムダにしないための本としては最強の本。本をほとんど読まない人にとっては混乱のおそれがある本。という感じ。

僕はまだ差分を拾える領域には達していないようなので、ここまでの意見しか書けませんが、土台が完成した後にこの本を読むと、ものすごく楽しく読書できるようになりそうな気がします。

楽しみ。

 

目次(404 Blog Not Found:「新書がベスト」重版御礼+書名索引Web版より)

Part III 新書レーベルめった斬り!
新書スタイルはここから生まれた「岩波新書」
じっくりと時間をかけて仕上げる「中公新書」
社会派老舗の風格「ちくま新書」
目の付け所が光る「光文社新書」
新書ブームをつくった「新潮新書」
クリーンヒット率の高い「幻冬舎新書」
節操のなさが強みでもある「PHP新書」
すぐれた海外翻訳モノ「ハヤカワ新書juice」
科学系新書の元祖「ブルーバックス」
カラーと図版の勝利「サイエンス・アイ新書」
ハズレ率の驚異的な低さ「DOJIN選書」
右寄りと左寄りで好対照「集英社新書」「文春新書」
コンセプトが迷走?「講談社現代新書」「講談社+α新書」 
事情はわかるが紛らわしい「角川oneテーマ21」「角川SSC新書」
大人こそ読みたい「岩波ジュニア新書」「ちくまプリマー新書」
元祖「ライフハック本」「宝島新書」 
かくも楽しきニッポン文化「平凡社新書」
実用知識をユニークな構成で見せる「新書y」
スゴ本、ダメ本 玉石混淆の「青春新書インテリジェンス」
ルポが光る、新聞社系新書「朝日新書」
エコとエロが共存する「ベスト新書」
IT好きにうれしいラインナップ「アスキー新書」
派手なグループの地味なレーベル「ソフトバンク新書」
今後が楽しみ「マイコミ新書」
序章 生き残りたければ、新書を読め
(1) なぜ今、本を読まなければならないのか 
(2) 新書以外は買わなくていい 
Part I 新書の買い方、読み方
(1) 読書レベル0からの【初級編】
(2) なんとなく読めはじめてからの【中級編】
Part II 新書を10倍生かす方法
(1) タイトルから本の出来を測る
(2) ダメ本も味わう
(3) 疑うことを楽しむ
(4) 洗脳されずに自己啓発本を読む
(5) 話題の本とは距離をおく
(6) ジュニア向け新書はこんなに楽しい
(7) 複数の著書を同時に読む
(8) 本で得た知識を活用する
(9)「超」整理法で本を整理する   
(10) ウェブを使って、本を読む
終章 新書と電子ブックの未来
コラム
(1) 文字だけの本とコミックの違い
(2) 英語圏での本の常識
あとがき
【巻末】ジャンル別 逆引きINDEX

 - 書評

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