今回ばかりは耳が痛い…「ムダな努力」の話 -書評- このムダな努力をやめなさい
2012/12/15
いつも「刺激的!」と笑いながら読んでいた成毛眞さんの本ですが、今回ばかりは耳が痛かった…。
会社員になったことでそうなったのか、はたまた元々ムダな努力家だったのかはわからないけど、とても痛い所を突いてくる。けれど、読み終わった時、ふわっと体が軽くなりました。
成毛眞さんの新刊、「このムダな努力をやめなさい」は、「自分には可能性がある」という根拠のない自分への期待のようなものを粉々に打ち壊します。
「しなくちゃいけない」病?
ネットサーフィンをよくしている人はとっても分かると思うのですが、時間管理で仕事がデキるビジネスパーソンになろう!的な記事や、質の良い短時間睡眠で時間を有効に使おう!的な記事が話題になったりします。
んで、真面目な人はそれを読んで、時間管理をしなくちゃいけないとか、寝過ぎてる自分はダメだ。とか、思って時間管理とか短時間睡眠とかを始めてみるわけです。
そして当然のように上手く行かない。自己嫌悪。そんなこともできない自分は成功からは程遠い存在だ。なんて思ってしまうわけ。
完全に自分のことですこれ。
なにかを「しなくちゃいけない」と、いつも考えてしまってなんかいつもモヤモヤしてしまうのです。
来るべき時を待つ
サラリーマンの場合、配属される部署や上司によって、出世できるか否かが大きく左右される。基本的に能力には関係なく、運で自分の会社人生は決まる。
P.85
もちろん自分を高めれば「成長」なんてものができるかもしれません。けど、最後にその成長を形にできるのは、自分じゃなく周りの人間や環境。
だが、不利な要素が重なったからといって、それほど悲観する必要はない。小さな負けを重ねておいて、最後に大きく勝てばいい。
P.85
デキる人は最初からデキるし、苦手なことを何度もやって得意になろうとするのは「ムダな努力」だと成毛さんは言います。
そう考えると、やるべきことは苦手なことを得意にすることじゃなくって、なにをやってたら楽しいかを認識することなんじゃないかと思います。
なんだかんだ「好き」って大事なんじゃないかなって。
好きなことを深く探求する。
そのほうが楽しいに決まっている。
それこそ今、やるべきことなのである。やがてそれが自分の武器となるかもしれない。自分の身を助けることにもつながることもあるだろう。
P.40
楽しく何かを学んでいると、学んだことがすぐに頭に入ってくる経験は誰にでもあるんじゃないでしょうか。
会社でiPadのアプリを作っていた期間があるのですが、その間はやっぱり興味があるから楽しくて、結構帰りが遅くなったりもしましたが、あまり苦にもならず、覚えたことがガンガン頭に入りました。
その時ばかりは「好き」のパワーって絶大だ。と感じました。
「好き=仕事にする」なんて甘いんだよ!なんていう人もいますが、好きじゃないことより好きなことをしたほうがパフォーマンスが上がることは明らかなので、なんだかんだ「好き」って大事だと身を持って感じました。
さいごに
成毛さんの本を読み終わった時、必ず、
「なに小さいことで悩んでんだ?」
とハッとします。周りが見えてないんだなー。と、そこで初めて気づきます。
常にそんな気持ちでいたいのですが、なかなかそうもいきません。そんなときに救いの手を差し伸べてくれるスゴ本がまた1冊増えて嬉しい限りです。
はじめに 人生を“消耗”する前に考えておきたいこと
1章◎“努力家”が知っておくべき10のこと
2章◎「ムダな努力」と縁を切る、12のルール
3章◎仕事は、「ラク」をしないと成果は出せない
4章◎ここで分かれる「面白い人生」「つまらない人生」
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