友達がいなかったということ – 書評 – 友達がいないということ
2012/12/12
最近は気安く感想を書けない本に当たることが多いです。
「こういう本だよ!」と断定してしまうにはあまりにも無責任になってしまう本。小谷野敦(こやのとん)さん著の「友達がいないということ」もその一つです。
友達がいない人が読んでも得ではない
ちなみに、「友達」を本書では
「友達はいるけれど、これは本当の友達なのだろうか」というのは、やっぱり、「友だちがいる人」の悩みなのである。
P.24
と定義しています。
本書は、友達がいない人が読んでも友達が作れるようになるでもなく、どちらかというとさらに追い討ちをかけてしまうタイプの本ではあります。
しかし、「友達がいないことはどこか欠点があるから直そう」とか「みんなに合わせれば友達ができるよ!」というハッピーノウハウ本では決してなく、ひたすら「友達」についての考察が書かれています。
答えは出ませんが、友達について真剣に考えたいなら真っ先にオススメしたい本ではあります。
さて、僕自身がこの本を手に取ったのは他でもなく、友達がいないということを経験してきたから。小学校は特に暗黒時代を送らせていただいておりました。
せっかく好意を持って接してくれた人に悪意の塊を全速力で投げ返し続けるという、著者にしてみれば完全に自己責任であるパターンなのですが、「話をする人が誰もいない状態」というのは心がえぐられる感覚だったりします。
どこかで変われた
自己責任とは言えども、この状況を続けられるほど強靭な心は持ち合わせていなかったので、どうしようかと当時は一日中考えていました。
人間、そんなにすぐ変われるわけでもないので、「これで人間としてスタートラインに立てた気がする…」と感じられるようになったのは20歳になったくらいだと思います。
かなりどん底の気分でしたが、そうやって悩んでいた時に考えていたことは今でもハッキリ覚えているどころか、今の自分を形作っているといっても過言ではないので、その時の自分を褒めたいくらいです。
人生はできるだけラクに生きていきたいものですが、やっぱり「変わった」と思えるのはそういう目を背けたくなるような出来事があってこそなのかもしれないです。
友達がいなかった人へ
冒頭で、本書を友達がいない人が読んでも良いことがないと書きましたが、友達がいなかったという人には、その時の自分とどう変わったかを確かめる意味でかなりオススメできます。
そんな人ってあんまりいない気がしますけど。
心の暗い部分にスポットライトが急に当たるので、心に余裕があるときに読むとちょうどいいと思いますw
目次(Amazonより)
まえがき−「便所めし」の悲哀
第一章 友達にだって片思いはある
第二章 虚構としての友達物語
第三章 友達関係はホモソーシャル
第四章 友情か、正義か
第五章 「いじめ」のことなど
第六章 友達は面倒でもある
第七章 ネット時代の友達論
第八章 孤独な人々のための読書
終章 「あきらめ」と「明日」
あとがき
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